日本映画なのに、日本では買えない(正確には日本国内のレーベルから販売されてない)映画のDVD/Blu-rayが海外では売っているということがあります。
今日はそんな邦画を3つ御紹介します。
【その前に・・・】
ある種の主義・主張・指向が相まって摩擦した結果、映画として悲しい判断に晒された作品も取り上げています。
私はそれらの主義・主張・指向を崇める気も蔑む気もなく、私は右でも左でもなく、ただ、そういう価値観の人もいるということを知っています。
それでも、意図せず感情を揺さぶってしまったなら申し訳ありません。
しかしながらこの記事は単なる個人的な感想を含めた映画紹介であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
私が感じた感想も1つの価値観、そういう人もいるとしてご理解いただけましたら幸いです。
新幹線大爆破 (1975年 日本)
新幹線ひかり109号が爆弾を仕掛けられたまま発車した!爆破グループの完璧緻密な犯行と大捜査陣の執念追跡をスリルとサスペンスで描く娯楽超大作。爆破犯人役を演じる高倉健をはじめとする豪華なキャスト陣。大ヒットしたハリウッド映画「スピード」の原典としても有名になったノンストップサスペンスの決定版。(Amazon ビデオ 作品解説から転記)
”大爆破”というタイトルを巡り、国鉄(今のJR)ともめた結果、美術やロケ協力が一切得られず、ミニチュアやゲリラ撮影で対応。
国鉄と喧嘩した映画として、宣伝でもあまり取り上げられなかったそうです。
主役の犯人役を高倉健さんが演じていますが、悪役を演じるというのも珍しいですね。
厳密にいうと、この映画は日本で見れないわけではありません。
長らく埋もれていたのは事実でしょうが、ディープなファンはいて、LD、DVDでの復活は成し遂げています。
LD化は1999年、インナージャケットには庵野秀明さんと樋口真嗣さんのシン・ゴジラコンビの対談が掲載されました。
DVDは今でも日本で発売中。
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2013/11/01
- メディア: DVD
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またAmazonビデオでも配信中で、プライム会員はタダで見れます。
その点で言えば、後述する2作よりも恵まれています。
- 発売日: 2015/08/01
- メディア: Amazonビデオ
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ただ画質のいいBlu-rayでの発売は・・・というと高倉健さんの追悼として発売された他作品を含むBOXにしか収録されていません。
故に、このBOXのコメント欄には「新幹線大爆破」の単品発売を望む声が 多く挙がっています。
高倉健主演 東映映画セレクション Blu‐ray BOX(初回生産限定) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2015/04/08
- メディア: Blu-ray
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→単体販売されましたね!!!
既に海外では単体Blu-rayを発売済みなのです。
US版Blu-rayを扱うDVD fantasiumで発売中なので、日本への発送も可能。(4915円)
The Bullet Train: The Limited Edition Series (Blu-ray)(新幹線大爆破)
Amazon.com(US)でも発売中なのですが、日本に発送してくれるかは不明です。
Amazon.com: The Bullet Train: Sony Chiba, Junya Sato: Movies & TV
ちなみに、Amazon.comで紹介されている裏ジャケットの写真を見ると、
The basis of 1994 American hit, Speed, The Bullet Train (Shinkansen Daibakuha, 1975) とありますね。
そう。( ̄+ー ̄)
作品説明にも記載してありますが、「時速80km以下に速度を下げると爆発する」という速度まで一致している設定から映画スピードの元ネタでは?とも言われています。
- 発売日: 2013/11/26
- メディア: Amazonビデオ
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でも、こんなハッキリと書いていいほど裏取りが出来ている情報なのかは不明だった気がするのですが。。。
あと、USではその方が伝わるのか、Sunny Chiba(千葉真一さん)の名前が挙げられていますが、宇津井健さんの存在感も強いのは確かです。
そして若い!!!
私も本作のBlu-rayは持っていますが、それはUS版ではありません。
DVD+Blu-ray Panik im Tokio-Express - Toei Classics 3 Special Edition (ドイツ版)
US版のリリースが発表される前に、既にリリースされたドイツ版に飛びつきました。( ̄∇ ̄)
DVD2枚+Blu-ray1枚の3枚組
- DVD 1 - 日本語版(約146分)
- DVD 2 - ドイツ語劇場版(約92分)
- Blu-ray - 日本語ロングバージョン(約152分)&ドイツ語劇場版(約96分)
DVDはリージョン2のPAL版、Blu-rayはリージョンBの為、日本向けプレイヤーでは再生できません。
このBu-ray自体も日本への発送は出来ず、Google先生に手伝ってもらって翻訳した結果、フランスには発送可と知り、現地営業に頼み込み、日本から営業が訪問する時に引き取ってもらい、と数人の協力の下に手に入れたのでした。
なのに、この記事の為に再検索したら、知らない間に日本への発送可になってた。(。-_-。)
ちなみにLimited Editionという、さらにサントラCD付のものもあります。
これは今も日本にもフランスにも発送不可、ドイツ国内のみ購入可。
LDのインナージャケットではリメイクの話題にも触れていたそうです。
JR30周年だし、九州から札幌まで繋がったんだし、その話題に触れた両監督のシン・ゴジラも大ヒットして日本アカデミー7冠の勢いでリメイクしてくれないかなぁ。(*⁰▿⁰*)
山場は東京駅で東海道新幹線と東北新幹線を東京駅で直結させる突貫工事?ψ(`∇´)ψ
あ。でも、シン・ゴジラは東映ではなく、東宝か。。。
Mishima: A Life In Four Chapters (1985年 日米合作)
三島由紀夫の生涯とその文学作品を題材にした伝記風の芸術映画。「美(beauty)」「芸術(art)」「行動(action)」「文武両道(harmony of pen and sword)」の4つのチャプター(4幕)から成る。
1985年(昭和60年)にアメリカ、欧州などで公開されたが、日本では未公開。
制作は日本のフィルムリンク・インターナショナル、アメリカのアメリカン・ゾエトロープとルーカスフィルム。日本人俳優が「日本語」で演じている初の本格的な日米合作映画として画期的なものとされている。
本国アメリカでは興行的に惨敗したものの1985年度の第38回カンヌ国際映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞し、各方面で大きな反響を呼んだ。当初日本でも『MISHIMA ――11月25日・快晴』の邦題で公開予定だったが、三島役の同性愛的描写などに対して瑤子夫人が反対し、右翼団体の一部が抗議しているという噂が流れたため、映画配給会社が躊躇して日本では劇場公開されなかった。ビデオ・DVD化もされていないため「幻の作品」となっている。
ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ - Wikipedia
1970年、自衛隊市ヶ谷駐屯地(現・防衛省本省)を訪れ東部方面総監を監禁し、バルコニーでクーデターを促す演説をした後、割腹自殺を遂げた作家・三島由紀夫の生涯を映画化。
第1部「美(beauty)」:『金閣寺(Temple of the Golden Pavilion)』
第2部「芸術(art)」:『鏡子の家(Kyoko's House)』
第3部「行動(action)」:『奔馬(Runaway Horses)』
上記の三島作品のダイジェストを映像化したのと、三島由紀夫の生涯を回想するシーン+三島が自決した当日の起床からの経過を追ったカラーのドキュメンタリー調の「1970年11月25日」を交えて描いています。
3つの作品+三島由紀夫の生涯なので、英語の副題が A Life In Four Chapters となっています。
三島由紀夫を演じた緒形拳さんの、三島由紀夫を直接知らないのに、こういう人だったんだろうなと感じられる名演技は必見。
いや、だから見れないんだってば・・・
ただ、ダイジェスト+フラッシュバックで色々なシーン・時代が重なる為、ある程度三島由紀夫の生涯・作品群を知らないとちょっとシンドイ。
見終わった後、Wkipediaを見漁った。(°▽°)
作品解説にも触れましたが、内容に夫人が反対した、夫人なき今も親族が許可していない、出演者の権利関係がクリアでない等様々なしがらみ・噂があるらしく、日本では公開されてなく、またDVDなどのメディア化もされず、今後もおそらく難しいと言われています。
DVD Mishima: A Life in Four Chapters The Criterion Collection (US版)
Mishima: A Life in Four Chapters (1985) - The Criterion Collection
しかし1985年度の第38回カンヌ国際映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞したのも相まって、海外では名の知れた作品です。
しかもThe Criterion Collection シリーズからDVDとBlu-rayが発売されています。
これもDVD FantasiumからDVD購入。本作の魅力の1つに石岡瑛子さんの素晴らしい美術も挙げられますが、それを存分に味わえるパッケージのアートワークとなっているのもクライテリオン版の魅力の1つです。
ちなみに同封されたライナーノートにはBANNED IN JAPANとして日本で放映が中止された背景が英語で記されています。
DVD廃盤が決定したらしいので、購入はお早めに。
ただし、US版DVDなので、リージョン1であり、日本向けプレイヤーでは再生できません。
追って発売されたBlu-rayならば、リージョンコードは日本と同じAなので今買うならこちらでしょうかね。
The Criterion Collectionとは?
アメリカでリリースされているDVD/Blu-rayのシリーズ。
製作国やレーベル、作品の新旧にも関係なく横断的に、世界中の名作/傑作映画を高品質リマスターかつ美麗なアートワークでリリースされています。
日本映画で言えば、日本ではDVDしか販売されてない三船敏郎さんによる宮本武蔵3部作から、是枝裕和監督作の「歩いても歩いても」まで色々。
黒澤明監督作品も取り扱いは多く、ゴジラ1954年版は日本よりもかなり早くリリースされました。
ゴジラのクライテリオン版を持っていますが、コントラストのメリハリがあり、艶かしい白黒でくっきりと描かれたゴジラは怖さも滲み出るほどでした。
輸入盤DVDオンラインショップ:DVD Fantasium : Title List
愛のコリーダ(1976年 日本)
昭和11年に起きた「阿部定事件」を題材に、大島監督が男女の愛の極致を描く。性交場面が日本では十分に表現できず、フィルムをフランスに直送し編集するという新システムで完成させた。日本公開版は当然修整が加えられたが、芸術か猥褻か表現の自由をめぐって裁判事件にまで発展した問題作。海外では1976年のカンヌ映画祭で上映され、芸術作品として高い評価を受けた。なお、2000年には初公開時にカットされたフッテージをほぼ完全に復元した「愛のコリーダ2000」が12月に公開された。
芸術か卑猥か というのはいつの世でも付いて回るんでしょうね。
この映画は公開時にめちゃくちゃに編集され、2000年の公開時にもボカシが入れられたそうです。
Blu-ray In the Realm of Senses The Criterion Collection (US版)
日本ではボカシの入ったDVDなら普通に手に入ります。
ただ、それだと監督が意図したことが伝わらない恐れもあります。
で、入手したのがUS版。
こちらはXXXも、定が吉藏のXXXをXXXしているのも無修正・ボカシなしで、しかもクライテリオン品質で観ることが出来ます。
ただ、前2作品を取り扱うDVD Fantasiumでもこの作品は取り扱いがありません。
何故なら猥褻物の流布の恐れがあるとして、税関の検査で見つかれば関税法の規定により没収されてしまうからです。
。。。。。。あれ? じゃあ何処で購入を? となりますが、日本の通販サイトで取り扱っているところがそこそこあります。(-_-;)
それらのサイトが関税法を考慮しているかは分かりませんが。。。そのうちの一つから購入しました。
猥褻か芸術かというのはその後もありますよね。
例えば、鈴木砂羽さんのデビュー作、愛の新世界も名作と思うのですが、公開された1994年から20年近くを経た2013年のBlu-rayでようやく無修正版が発売。
「キック・アス」で注目されたクロエ・グレース・モレッツ主演作「モールス」。
モールスはリメイク作品で、そのオリジナル作のスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」。
こちらはポルノ映画でもないのにボカシが入り、物語の核心が誤って伝わることを危惧する声も多かったですね。
難しい匙加減なのかなぁ。。。
少し暗くなってしまいました。(ーー;)
何はともあれ、「新幹線大爆破」はAmazonビデオで楽しめます。
今でも十二分に楽しめる映画です。
一見の価値はあると思いますので、Amazonプライム会員の方はよかったらお楽しみください。
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